リストラクチャーメソッドとは?

リストラクチャー

 

 動き出す前に、“誰がその人生を選んでいるのか”を明確にする

「本当は、もっと自分のために時間を使いたい」

そう思っているのに、気がつけば今日も一日が終わっている。

仕事をして、家事をして、家族のことを考えて、頼まれたことを片づける。

何もしていなかったわけではありません。むしろ、たくさんのことをしています。

それなのに夜になると、

「今日も、自分のことは何もできなかったな」

そんな気持ちになることがあります。

では、どうすればいいのでしょう。

もっと時間を上手に使えばいいのでしょうか。
やりたいことを明確にすればいいのでしょうか。
目標を決めて、行動計画を立てればいいのでしょうか。

もちろん、それで動き出せる人もいます。

けれど私は、その前に見ておきたいことがあると考えています。

それは、

「その人生を、いま誰が選んでいるのだろう?」

ということです。

私たちは、いつも「自分」で決めている?

たとえば、休日の午後。

今日は久しぶりに、自分の好きなことをしようと思っていたとします。

ところが、家の中を見れば洗濯物が気になる。
家族から何か頼まれる。
仕事のメールも一通届いている。

「これだけ先にやってしまおう」

そう思って動いているうちに、夕方になってしまいました。

ここで、

「どうして私は、自分のやりたいことを後回しにしてしまうんだろう」

と考えるかもしれません。

けれど、もう少し丁寧に見てみると、そこには単純な「意志の弱さ」とは違うものが見えてきます。

家族を大切にしたい自分。
やるべきことをきちんと済ませたい自分。
周囲に迷惑をかけたくない自分。
期待されたら応えたい自分。

あるいは、過去の経験から、

「ちゃんとしていないと落ち着かない」
「人をがっかりさせたくない」

という反応が身についていることもあるでしょう。

私たちは単純に、「私」だけで生きているわけではありません。

いくつもの役割、価値観、経験、感情、習慣を抱えながら、その時々の選択をしています。

リストラクチャーメソッドは、自分を優先することではない

ここで誤解してほしくないことがあります。

リストラクチャーメソッドは、

「もっと自分を優先しましょう」

という方法ではありません。

家族を優先してもいい。
仕事を優先してもいい。
誰かのために自分の時間を使ってもいい。

ときには、自分にとって大切なものを守るために、自分が少し我慢することだってあるでしょう。

それらをすべて、「自己犠牲だからやめましょう」と考えることではないのです。

私たちは、ほとんどの場合、一人きりでは生きていません。

家庭、職場、友人関係、地域、社会。

さまざまな「場」の中で、人と関わりながら暮らしています。

だから、場の空気を読むことも、誰かを思いやることも、自分の役割を果たすことも、大切です。

むしろ、社会の中で人と生きていくために必要な能力です。

問題になるのは、それしか選べなくなっているときです。

「私がやるしかない」
「みんながそうしているから」
「母親なんだから」
「迷惑をかけてはいけないから」

そうした判断がいつの間にか自動的になり、ほかの選択肢が見えなくなっているとしたら?

そこには、少し立ち止まって見てみる価値があるでしょう。

「場も見る。私も見る。そのうえで選ぶ。」

あなたの構造改革の入り口は、

「私はどうしたい?」

と自分に尋ねることから始まります。

それはとても大切な問いです。

けれど、それだけですべてが解決するわけではありません。

たとえば、残業中にお腹がすいたとします。

自分の欲求だけを見れば、

「私は何か食べたい」

でしょう。

でも、みんな、忙しく働いている。

そんなとき、私たちは自分の欲求だけでなく、周囲の状況や人との関係、自分の役割など、さまざまなものを見ながら判断します。

それでいいのです。

「お腹はすいている。でも、あと30分なら待てる。だから今は仕事を続けよう」

と自分で選ぶこともできます。

「ちょっと、おなかすいたね」と隣の人に言うこともできる。
その一言で、急に場の空気が変わり、「じゃあ、ちょっと休憩しよう」ということになるかもしれません。

大切なのは、自分の「お腹がすいた」が、最初からなかったことになっていないこと。

自分の希望も、場の状況も、どちらも見えていることです。

場も見る。私も見る。そのうえで選ぶ。

リストラクチャーメソッドが目指しているのは、そんな選択のできる状態です。

私たちを動かしている「構造」

では、なぜ私たちは、ときに一つの選択しかできなくなってしまうのでしょう。

そこには、これまで生きてきた中で身につけた、さまざまな仕組みがあります。

家族の中で担ってきた役割。
周囲との関係から覚えた振る舞い。
過去の経験から身についた反応。
大切なものを守るために作られた考え方。

本人も気づかないまま、同じような判断や行動を生み出しているこうした仕組みを、私は「構造」と呼んでいます。

構造そのものが悪いわけではありません。

ある時期には、その構造があったからこそ、自分を守ることができたのかもしれない。
家族とうまくやってこられたのかもしれない。
仕事を続けてこられたのかもしれません。

けれど、かつて自分を助けてくれた構造が、今の自分には窮屈になっていることがあります。

それでも私たちは、慣れ親しんだ構造を無意識に使い続けます。

すると、

「本当はこうしたいのに、なぜかできない」

ということが起こります。

構造を壊すのではなく、構造を選ぶ

リストラクチャーは、古い構造をすべて壊して、「自由な本当の自分」を取り出す方法ではありません。

場を読む能力も、人を思いやる気持ちも、役割を果たそうとする姿勢も、これからの人生に必要なものです。

だから、なくす必要はありません。

大切なのは、

自分を生きにくくしている構造を見つけ、必要なら組み替え、選択できるように、構造を変えていくこと。

今まで、

「こうするしかない」

と思っていたところに、

「こうすることもできる。でも、別の選択もできる」

という余白をつくる。

そのうえで、

「今回は、私はこれを選ぶ」

と決める。

同じ行動をしたとしても、「それしかできなかった」のと、「ほかの可能性を知ったうえで自分で選んだ」のとでは、その意味は大きく違います。

人生の主語を、自分へ。

リストラクチャーメソッドが目指しているのは、何でも自分の思いどおりにすることではありません。

周囲を無視して、自分の希望だけを押し通すことでもありません。

自分の中にあるいくつもの声や、役割、価値観、過去から身についた反応を理解する。

場の状況や、そこにいる人たちのことも見る。

そのうえで、

「私は、これを選ぶ」

と言える状態をつくることです。

選ぶものは、そのときによって変わります。

でも、その人生から「私」がいなくならない。

だから私は、リストラクチャーメソッドをこう考えています。

動き出す前に、“誰がその人生を選んでいるのか”を明確にするアプローチ。

自分を生きにくくしている構造があるなら、それを見つけ、必要なら組み替えていく。

そして、ほかの選択肢もあると知ったうえで、自分で選ぶ。

人生の主語を、自分へ。

そこから、自分で選べる人生へ戻っていく。

それが、私の考えるリストラクチャーメソッドです。

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