宇宙規模の孤独

雲の写真と詩
人混みに合わせて歩いていても、行くべき場所が無い。
歩いて、歩いて、どこへ行こう。
つい右に曲がってしまったけれど、どこへ行こう。
このまま歩き続けて行けば港だけれど、行き止まりになったらどこへ行こう。
いきなり回れ右をしたら、おかしく思われるだろうな。
もう少し先に行って、角を曲がろうか。
そうすれば港には行かずにすむけれど、西には何があったけ。
目がガラス玉になったような気がする。
声帯も乾いて、声が出ない。
話すような友達もいないから、それはそれでいいけれど。
いいけれど。
いいけれども、悲しい。
私は何をするために生まれて来たんだろう。
歩いても、歩いても、どこにも行きつかない道。
西日がまぶしくて、ビルの陰に隠れてみる。
働いている人たちが、ぶつかるように側を通り抜けていく。
あの人にはありそうな価値が、私にはない。
私には居場所がない。
「なんでもいいから、用事をしたら?」と言われたことがある。
「何もしないのに、おなかはすくのね」と言われたことがある。
言い返せなかったけれど、私は何か価値あることを探そうとしていただけだった。
もう、おなかがすいても、食べたくない気持ちになった。
私には居場所がない。
ここから宇宙に至るまで、私には居て良い場所がない。